国際政治経済学とは何か


最終更新 : 06/02/24 16:55:51

 

国際政治経済学とは何か

 

・国際政治経済学(IPE)とは何か? じつは、日本における「IPE」については、相当に色合いを異にする二つの流派が存在している(と思われる)。

 

・ひとつの流派は、IPEを「国際経済の政治学」「経済をめぐる国際政治学」であると称する。その特徴は以下のとおりである。

(1)IPEを、国際関係論の一部であるとしている。

(2)東京大学を中心とする。この系統のIPE研究者は東日本に多い。

(3)東京大学系の国際関係論は、アメリカ仕込みの理論が強い。そのため、その一部であるIPEもまた、アメリカ仕込みの理論が中心となる。

 

・もうひとつの流派は、IPEを「国際・政治経済学」「政治と経済の相互作用」と捉えている。その特徴は、以下の通りである。

(1)IPEを、広義の政治経済学の一形態、あるいは政治と経済の相互作用を解明するものとみなしている。したがって、必ずしも自らを「国際関係論」者とは定義しない。むしろ、新古典派に組しない経済学者(マルクス経済学者とは限らない。制度派経済学者も含む)が中心である。

(2)中心となっているのは、京都大学および立命館大学である。そしてこの流派の研究者は、関西に多い。関西でIPEといえば、ほとんどがこの流派である。

(3)政治経済学であるため、マルクスやグラムシの影響を受けていることが多い。理論的な主導者は、イギリスの故スーザン・ストレンジ(1923-1998)であるが、その他にいずれもカナダ・ヨーク大学で教鞭をとる、通称「ヨーク学派」のスティーブン・ギルや、かつて同大学で教鞭をとっていたロバート・コックスなどが、高く評価されている。

 

・関西の国際政治経済学者にとって、スーザン・ストレンジはきわめて重要な人物である。そこで、ストレンジについては、別途ページを設けている

 

・国際政治経済学者のリンク集としては、このようなものもある。ただしここには、「国際政治学者」と形容するほうがふさわしい研究者が、多数含まれているように思われるのだが。

 

 

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